美容や健康維持に期待され、体にいいと非常に注目されている緑茶ですが、気になることといえばカフェインについてではないでしょうか。
妊娠中はカフェインを我慢しないといけないとか、寝る前にカフェインをとると眠れなくなるとか、なにかとよくないイメージで話をされることも多いこの成分。
もし危ないものだとしたら子供にも飲ませられませんよね。
緑茶自体は体にいいはずだけど、カフェインは避けたほうがいい成分なのでしょうか?

その判断ってなかなか難しいかも。
結論をいってしまえば、「カフェインとはうまくつきあうべき」というのが正しいでしょう。
カフェインには悪い面もありますが、良い面もあるからです。
- カフェインは1日どのくらい飲んでも大丈夫なの?
- 妊娠中や子供は緑茶を我慢するべき?
- どんなお茶ならカフェインが少なくて安心?
よくあるこんな疑問にこたえます。
曖昧な知識だった人もカフェインについて知っておくことで、これから心配なくお茶が楽しめるようになりますよ!
緑茶のカフェイン量はどのくらい?
緑茶にふくまれるカフェイン量はいったいどのくらいだと思いますか?
カフェインがふくまれている飲み物をいくつか比較してみましょう。
それぞれ100ml中にふくまれるカフェイン量をまとめてみました。
【カフェイン量の目安】
数字を見ただけでは正直なところイメージがつきにくいと思います。
たとえば煎茶と玉露。
どちらもおなじ緑茶なのですが、玉露のほうがなんと8倍もカフェインが多いのです。
しかも、コーヒーなんて軽く超えてしまっているのがわかると思います。

おなじ緑茶なのにこんなに違うの??
大人が1日にとれるカフェイン量は300~400mg。
常にこれをオーバーしないように飲み物を選ぶ必要があります。
また、暑い日に飲みたくなるコーラにもカフェインがふくまれていることを知っていましたか?
子供にたくさんコーラをあたえていませんか?
ジュースだから安全だろうという考えだったなら少し見直す必要がありますね。
これから飲み物を選ぶときは、上記のカフェイン量を意識してみてください。
とくに妊娠中の女性や子供のいる親ならうまくコントロールしたいところです。
ではこれからかしこくカフェインをとるためにも、1日に摂取できるカフェイン量を年齢別でみていきましょう。
【1日に安全に摂取できるカフェイン量(アメリカ)】
・大人:300~400mg(コーヒー6~7杯程度、100mlの煎茶なら20杯まで)
・13~19歳:100mg(コーラ3缶、煎茶なら5杯まで)
・10~12歳:85mg(コーラ2缶、煎茶なら4杯程度)
・7~9歳:62.5mg(コーラ1.5缶、煎茶なら3杯程度)
・4~6歳:45mg(コーラ1缶、煎茶なら2杯程度)
参照:Live Science
コーラでたとえるところがアメリカらしいですね。笑
ちなみにこれは日本でも同じ基準です。
なお、3歳以下の乳幼児に関してはカフェイン摂取の安全性が証明されていないため、カフェイン飲料を早い段階であたえることは推奨していません。
子供の脳の発育に悪影響をあたえる可能性が懸念されてます。
また、妊娠中の方はカフェイン摂取量を1日200mgまでにおさえることが害のない基準とされています。
緑茶カフェインのメリット
カフェインは体によくない成分に思えますが、見かたを変えれば効果やメリットはあります。
まず代表的なのが覚醒作用。
眠気覚ましにコーヒーを飲む方は多いですよね。
緑茶にもコーヒーと同じカフェインがふくまれており、強さは違いますが同様の効果をもっていることになります。
いくつかいい効果をあげるとすれば、
- 脳にはたらきかけて興奮させる覚醒作用
- 頭をスッキリさせてくれるため、運動能力・仕事中の作業や集中力があがる
- 運動によるエネルギー消費をうながしたり、脂肪をスムーズに分解する
- 利尿作用によってむくみ解消
これがカフェインを摂取するおもなメリットです。
コーヒーでも緑茶でも、カフェインを適度にとることは健康維持やリフレッシュになったりもするので有効だといえます。

カフェイン飲料の飲み過ぎはデメリットに
短時間のうちにカフェイン飲料を飲み過ぎると、人間の体はカフェイン中毒をひき起こします。
人によって許容量は違いますが、その量をオーバーしてしまえば中毒症状があらわれます。
たとえば不安・体の震え・頭痛・めまい・嘔吐・不眠などの症状がおこり、最悪の場合死も覚悟しなければいけないのがこの中毒の怖いところ。

いくら好きだからって、飲み過ぎには気をつけなきゃ。
毎日お茶やコーヒーなどのカフェイン飲料を大量に飲んでいませんか?
大人・子供関係なく、度を超えてしまうと誰にでも中毒になる危険性がありますので、1日の摂取量を自己管理することが大切です。
なかにはカフェインを受けつけない体質の人もいます。
遺伝的にカフェイン耐性がないのか、少しのカフェインを摂取しただけでふらふらしたり気分が悪くなったりすることがあります。
個人差があるので、自分の限界量を知っておくようにしましょう。
妊娠中でも緑茶は飲める?
妊婦さんはただでさえ食事や飲み物に制限がかかるもの。
お茶くらい気にせず飲みたいですよね。
緑茶にもカフェインがふくまれているのは有名な話。
さて実際、妊娠中に緑茶カフェインをとるとどのような悪影響があるのでしょうか?
まったく飲んではいけないものなのでしょうか?

まったく飲めないのはきついなあ。
現時点の国際的な基準では、妊娠中のカフェイン摂取は可能です。
ただし国で安全とされている目安量をかならず守るようにしましょう。
妊娠中はカフェインを分解し排泄するまでに長く時間がかかるため、胎児にもその成分がいきわたりやすくなってしまうとされています。
カフェインをとり過ぎた場合に心配されるのは、生まれてくる子供の健康リスク。
緑茶やコーヒーのような飲料の飲み過ぎが、流産や早産・発育不良による低体重児の出生リスクにつながります。
いつものなにげない習慣が原因となるのなら、とても怖いですよね。
後々後悔することにならないよう、カフェイン飲料が好きな方はとくに気をつけてください。

国によって決められた妊娠中に摂取できるカフェイン量は1日200mgまでです。
- 煎茶 20mg/100ml(10杯程度)
- コーヒー 60mg/100ml(3杯程度)

この量は最低限意識して守ろう!
計算上はこの量になりますが、厳密には茶葉の種類やコーヒー豆の種類によっても変わってきます。
緑茶の場合も玉露・ほうじ茶・玄米茶など種類によって、もしくはお茶を入れる温度によってもカフェイン量が変化することを頭にいれておいてください。
基準量を下回るくらいの計算で摂取するほうが安心です。
とくに抹茶や玉露にはカフェインが多くふくまれるので、2杯飲むだけで1日の許容量をあっさりと超えてしまいます。
完全にカフェインの心配をしたくないのであれば、ノンカフェインのお茶を飲みましょう。
子供も飲める?
子供にとっても水分補給は大切。
大人と同じように緑茶を飲ませてあげたいけど、カフェイン量のことを考えるとあたえないほうがいいような気もしてきます。
子どもの体は発達途中であり、大人とくらべて体が小さいこともあって私たちと同じ量の緑茶を飲ませるのは危険という見方が強いです。
3歳頃までの乳幼児はカフェイン入りのお茶は控えるべきです。
そのあともなるべく摂取量をおさえたほうが無難。
子供がカフェインを摂取することによって、脳の発育に悪影響をあたえる可能性があるからです。

もしものことを考えると、カフェイン飲料は避けるべきだね。
カフェインが子供の脳を刺激することで落ち着きがなくなる。
また、利尿作用による脱水症状・興奮・不眠・カルシウムなどの成長に必要な栄養の排出につながり、成長をさまたげる可能性があるため注意が必要です。
そうはいっても緑茶が子供の成長によくないとの認識があるお母さんばかりではないはず。
緑茶以外にも、ウーロン茶・ほうじ茶・玄米茶・紅茶にも同じように、カフェインがふくまれることを知っていますか?
それはこれらの茶葉がすべて同じ木の葉っぱから作られていることと関係しています。
そのほかにも、ココアやコーラなどの甘いドリンクにもふくまれていることがあります。
はじめて子供にあたえる飲み物には注意が必要。
よく調べてから飲ませるようにしましょう。
子供にお茶をあげるなら薄めてからあげる、もしくは水出し緑茶がおすすめ。
心配したくないならノンカフェインがベスト。
麦茶やルイボスティー、たんぽぽ茶が子供でも飲めるお茶として人気です。
ペットボトルの緑茶にもカフェインはふくまれるの?
コンビニやスーパーで手軽に買えるペットボトルのお茶ですが、基本的にはこちらの緑茶にもカフェインはふくまれています。
商品によって含有量はことなりますが、平均でいえば100mlあたりのカフェイン量が10~20mgの商品が多いです。
つまり茶葉からいれたお茶とそう変わりありません。
緑茶を買うときにカフェイン量が気になる方は、ペットボトルの成分表示を確認するか、ノンカフェイン(デカフェ)と表示のあるものを選ぶといいですよ。
眠れない?寝る前にお茶をおすすめしない理由
コーヒーを夜おそくに飲むと眠れなくなるよといわれたことはありませんか?
もしくは、遅い時間にコーヒーや紅茶を飲んで寝つきが悪くなった経験はありませんか?
これはカフェインから受ける影響のひとつです。
カフェインをとったらしばらく眠れないというのは本当の話。
覚醒作用によって、頭がすっきり。
シャキッと目覚めてしまうのです。
これは時間帯によってメリットにもなりますが、そのせいで眠れないとか睡眠の邪魔をするようなら、デメリットにもなります。
くれぐれも飲み方を間違えないように気をつけてください。
私たちが毎日のように飲んでいる緑茶にも同じくカフェインがふくまれているとお伝えしました。
つまり、寝る前にはできるだけ緑茶を口にしないほうがいいということです。
夕方以降はお茶をふくめたカフェイン飲料をなるべくとらないようにするなど、タイミングを決めてうまくとりいれていくのがもっともかしこい飲み方です。
もし寝る前に飲むとしたら水出し緑茶。
水出し緑茶なら寝る前に飲んでもカフェインの影響を受けずにすみ、睡眠トラブルの心配がいりません。
むしろテアニンのリラックス効果で高い睡眠効果が期待できるといわれ、推奨されています。
水出し緑茶ってどんなものなのかはっきりわからない方のために、つぎの項目で説明しましょう。
水出し緑茶でカフェイン量をコントロール
カフェイン量が気になる。
でも緑茶は好きだから飲みたいという方におすすめなのが水出し緑茶です。
誰にでもかんたんに作れて、いつもとひと味ちがったお茶を楽しむことができます。
今回は緑茶の代表とされる、煎茶の茶葉を想定してお話します。
緑茶を変える一番のポイントは水の温度。
通常緑茶を入れるときには熱いお湯をつかうことが多いですよね。
じつは熱いお湯でいれるほど、煎茶からはカフェインや苦味成分のカテキンが多く抽出されるという特徴があります。
逆に温度の低い水でいれると、苦味や渋みのもととなるカフェインやカテキンがあまり抽出されません。
かわりにうまみ成分であるテアニンが多く抽出されます。
その結果、水出しでいれた緑茶は苦味や渋みがひかえめで、甘くてまるみのあるやさしい味となるのです。

お茶は高温で入れると苦く、
低温で入れると甘くなる。
つまり、お茶をいれるときの温度によって緑茶の成分や味がおおきく変わってしまうということ。
飲む時間帯や目的にあわせてつかいわけるのが理想的。
水出し緑茶は寝る前に一息つきたいときや、子供・妊娠中の方・カフェインに強くない方にとてもおすすめです。
作り方はかんたん
グラスやお茶ボトルにティーバッグをいれて(1Lあたり10gの煎茶の茶葉をお茶パックにつめて)、水または氷水を注ぐだけ。
2~3時間放置するとできあがり。
じっくり低温で抽出された水出し緑茶は、カフェイン控えめで、苦味・渋みもおさえられてまろやかな味わいです。
まとめ
緑茶にふくまれるカフェインのメリットとデメリットについて、おわかりいただけましたか?
カフェインといえばコーヒーのイメージが強いですが、量は少ないながらも緑茶をはじめとするお茶にふくまれている成分でもあります。
世間ではカフェイン中毒や飲んで眠れなくなるなどのデメリットに注目されがちですが、私たちがカフェインをうまくとりいれることさえできれば、有害にはなりません。
仕事で集中力を高めたりリフレッシュできたりと、プラスの作用も期待できるのでかしこく活用したいところですね。
カフェインについて正しい知識をもったうえでお茶や飲み物を選べるようになると安心ですよ!
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